旅-経営者の目線-
<旅-経営者の目線->52.中山道木曽路十一宿-(2)三留野から贄川まで九宿
2004/03/29 15:27
週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載
上松宿。寝覚の床。尾張藩の材木役所が置かれた上松は、日本3大美林の木曽桧の集散地として発展した。広重は上松の町はずれにある小野の滝を画いている。名勝寝覚の床は木曽川の激流が花崗石を浸食して作りあげたもので、天然記念物に指定されている。美しいというよりも、奇観であり岩を削る水流の激しさに驚いた。
福島宿。宮ノ越、薮原。福島は木曽の中心地で代官所や関所が置かれていた。中山道で霊峰御嶽山が見える唯一の地でもある。近くに木曾義仲の墓があった。近江の大津で戦死したが、遺骸は運ばれてここに埋葬された。勝者と敗者の狭間に消えた、その無念を弔う興禅寺の枯山水と池泉式庭園の大きさ素晴らしさに心安まるものがあった。ここは地蔵峠、美女峠を越えて飛騨高山に通じており、越中富山から鰤(ぶり)を運んだ。また木曽駒の生産地であり、最盛時には1000頭を超えた。宮ノ越は義仲が挙兵をしたところで、徳音寺に巴御前の騎馬像がある。薮原はお六櫛で栄えた。
島井峠、奈良井宿。島井峠は1197メートル、日本海に注ぐ奈良井川と太平洋に注ぐ木曽川との分水嶺である。旧街道の入口に熊に注意の立て札があり、峠に登るのを諦めた。奈良井宿千軒といわれた宿場は国の町並み保存地区に指定され、今も旅館、民宿が多い。
贄川宿は木曽十一宿の北端で尾張藩の番所があって、木材の密移出を取り締まった。
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