旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->51.中山道木曽路十一宿-(1)馬籠宿・妻籠宿

2004/03/22 15:27

週刊BCN 2004年03月22日vol.1032掲載

 2000年5月、中津川駅を出発し木曽路を訪ねた。駅前からは遠く恵那山が見え、これから始まる旅の期待に胸が膨らんでくる。馬籠峠の手前に島崎藤村筆の『是より木曽路』の碑が立っている。馬籠宿は藤村の生地で、その記念館には移りゆく幕末の木曽路を書いた大作「夜明け前」の史料などが展示されていた。

 妻籠宿。馬籠とともにここを訪ねるのは3回目だが、再整備された街並みは旧中山道の面影を見事に復元しており、今も人々が日常生活をしている。76年に国の重要伝統建造物郡保存地区第1号に指定され、年間82万人もの観光客が訪れるようになった。

 これに触発されて、全国的に昔ながらの美しい街並みの景観が見直され、保存されるようになった。見事な卯建(うだち)をつけた民家が一際目を引く。(うだつが上がる、上がらないの語源)。坂の上に高札場があり、坂を下って石段を降りると、今は使われていない水車小屋がある。

 この日は早めに切り上げて昼神温泉に向かった。以前はひなびた山間の温泉地だったが、中央自動車道が開通してから俄に人気が出て活況を呈している。温泉宿に向かう途中で道路に沿ってすばらしい花桃の一群を見て驚嘆。初めて見るその美しさに車を停めて暫し景観を楽しんだ。

 帰京後早速この花桃を求め、我が庭に植樹した。最初の春は申訳のように3つ咲いたが、枝分かれした今年は見事に咲き誇って、道行く人を楽しませている。
  • 1