旅-経営者の目線-
<旅-経営者の目線->50.中山道の宿場-(2)和田峠・長久保宿・笠取峠・望月
2004/03/15 15:27
週刊BCN 2004年03月15日vol.1031掲載
歌川広重は起伏の多いこの山道をたくみに画いている。雪の峠路を登り下りする旅人達の絵は流石とうならせる。この辺りは我が国最大の黒耀石の産出地で、縄文時代には武器や刃物として使用され、ここから全国各地に広まっていった。峠の無料接待茶屋が当時の姿のままに残っており、その前の古ぼけた売店で、記念に石の断片を買った。
長久保宿。広重の画いた野趣溢れる満月の木橋は今はなく、ありふれた鉄の橋がある中山道最古の建築といわれる本陣石合家に向かった。非公開なので外観だけを撮る。
笠取峠の松並木。街道随一の松並木で小諸藩が植樹した。赤松の大木が1キロも続く。これほどの巨木の松並木が続く壮観は見たことがない。並木の入口からほぼ中間の松並木公園まで、当時の旅人になった気分で上下左右を見ながら遊歩を楽しんだ。
望月。古代から名馬の産地として知られ、当時既に朝廷のための牧場「望月の牧」があった。木曾義仲はこの地の武士団と軍馬を頼りに挙兵した。また望月は石仏の宝庫として知られており、その数三千を超えている。財政が豊かで、立派な町役場があり、その敷地内に美しい「望月駒」の銅像が建っていた。
今回の旅を終え、2年前の馬籠から奈良井宿までの旅と合わせて、木曽信濃十七宿を訪ねることができた。次は美濃十六宿と近江十宿を訪ねてみたいと思っている。
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