旅の蜃気楼

「カシータ」

2004/03/01 15:38

週刊BCN 2004年03月01日vol.1029掲載

 六本木で食事をする回数が増えた。とりわけ、夜の六本木ヒルズは“光のお城”とでもいおうか。「ほーーー!」とため息が出るほど美しい。

 「会社を辞めたいと相談に来た女性が、今では生き生き、はつらつと、その会社で働いている」。もちろん会社がヒルズに移転したからだ。「いいことじゃないですか」。そんな会話をしていたら、「カシ-タ」のオーナーが「ようこそ、いらっしゃいませ」と、挨拶に来た。

 名刺を見ると、最高経営責任者とある。52歳。日焼けした精悍な風貌は、今、海から上がったばかり、といった雰囲気だ。「本業はオートバイの輸入業者。世界のリゾートホテルを歩くうちに、自分のコンセプトのレストランを経営したくなった」。

 六本木ヒルズの傍らにレストラン「カシータ」を開いた。オーナーの名は高橋滋さん。コンセプトは「サービスを売る」レストランだ。AMAN、AMEX、ANA。この3つの会社に出会って、お客様の満足を叶えることに徹するコンセプトができた。これを聞いたネット系出版社の社長が「こりゃ、参った」。さっそく極意を書いてある虎の巻『I am a man』買っていた。読むためか、出版するためか。一読に値する。(六本木発・笠間 直)
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