旅の蜃気楼
特製チョコ
2004/02/23 15:38
週刊BCN 2004年02月23日vol.1028掲載
▼無駄がなくなっていいじゃないか。そう思っていた時期もあったが、あまりに身の回りの歳時がなくなって、寂しさを覚えるようになってきた。3月の節句。お雛様を飾りつけて、「…今日は楽しいひな祭り…」と歌う。卒業式では蛍の光を歌う。桜の咲く4月には花見で馬鹿みたいに酔っ払う。真新しいランドセル。入学式では校歌を歌う。5月の節句では柏餅を食べる。こんな生活はどこへ行ってしまったのか。
▼「土手のすかんぽじゃわさらさ…」。こんな歌もあった。ふきのとう、つくし、しどけ。山菜の季節になると、行きつけの居酒屋は、メニューを替える。季節感があふれてお店は活気づく。四季折々の行事は生活のはずみ車になっている。ちょうど一週間前の16日の朝、宅急便のお兄さんが紙袋を届けに来た。チョコレートだ。差出人はアジェンダ。「おかげさまで、ホームソフト部門販売本数No.1!」とある。BCN AWARD受賞への御礼特製チョコだ。「日ごろの感謝を込めて、女子社員一同より」。楽しい気分に浸った。
▼アジェンダは家計簿ソフトで有名だ。本社は札幌にある。2月は恒例の雪祭り。今年は55回目で、ニューヨークヤンキースの松井秀樹選手がメインの出し物だ。大きな顔といいますか、頭でした。来年はもう少し、迫力を抑えて、美しさを強調してほしいな…。アジェンダの松井文也社長に、商品力の強さを聞いた。「商品企画と開発者を別にしているのがいいんでしょうね」。お客の声を聞いて商品を作るのが勝因だ。今回のバレンタインのチョコレートも、そんな企画力の“旨さ”が生きている。(本郷発・笠間 直)
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