Letters from the World

食生活に苦労する

2004/02/23 15:37

週刊BCN 2004年02月23日vol.1028掲載

 BSE(狂牛病)や鳥インフルエンザの影響で食肉の輸入制限で食生活に多大な影響が懸念されている。そのような潮流に対して、あまり影響が出そうもない国があるとしたら、それはインドだろう。インドは菜食主義(ベジタリアン、略してベジとも言う)の国といっても過言でない。人口の7割がベジとも言われる。大手のソフトウェア会社の社員食堂でも、ほとんどが完全なベジタリアンメニューである。郷に入っては郷に従えで、外国からのゲストもベジでいたほうが無難である。

 もちろん、ノンベジ(非菜食主義)のレストランなどでの会食もあり得るが、例外的であると思った方がいい。とくにホストがベジの家庭に招待されるケースでは、まず肉や魚はあり得ないので、多少でも慣れる必要がある。海外資本のファストフードチェーンもインドでの展開が始まっているが、完全なベジメニューというのは難しいとあって、大都市部でしか普及していない。もちろんん、物価に対しての価格が高いというのも一因ではある。価格差は、ケンタッキーフライドチキンのセットメニューで300円前後、それに対して、一般レストランのドサやプリなどの典型的なインドの朝食にコーヒーなどをつけても、50円程度。5-6倍くらいの差があることになる。

 インドのソフトウェアエンジニアも海外のプロジェクトとともに海外へ出張や駐在するケースが多くなっている。米国などは、ヘルシーな食事としてベジがポピュラーであるし、またインド料理のレストランも多いので苦労はしないが、日本や中国は文化的に完全なベジの料理が普及していないので、インド人は食生活ではかなり苦労する。自衛策として、自炊をする人。家族で駐在している知り合いのインド人家庭に、短期出張の際に緊急避難し、ベジメニューにありつく人など、いろいろである。(インド・バンガロール発:アコードインターナショナル 原 真)
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