Letters from the World

米国に中古ショップはない

2004/02/16 15:37

週刊BCN 2004年02月16日vol.1027掲載

 日本では最近、中古パソコンショップの話をよく聞く。品質の良いパソコンを安く買えたと言う消費者の話と、新品のパソコンを売っても数%しか利益がないが、中古パソコンだと2ケタ利益は着実に確保できるという販売店側の話を聞くことが多い。しかし、米国にはこのような中古パソコンを引き取って販売するといったビジネスは存在しない。それは、中古パソコンが市場に出回らないということが1番の原因だ。

 買ったパソコンは、動かなくなるまで使うという米国と、ファッション的にパソコンを購入する日本との違いがここに出ているのだろう。また、米国には古くなったパソコンを下取りするという制度がないことも知っておいてもらいたい。下取りするパソコンがなければ、店舗が中古パソコンを売ることもできないのだ。また、中古パソコン市場が米国で広まらない理由がもう1つある。それは、価格である。

 中古パソコンが売られていた時の価格は、今新品が売られている価格よりも高い。ということは、中古パソコンをたとえ半額で売っても、新品のパソコンとそれほど価格に差が出ないのだ。それほど価格差がないなら、言うまでもなく誰も新品を購入するだろう。また、米国には、中古でもなく、新品でもない(?)パソコンというものが存在する。米国ではRefurbished(リファービッシュト)と呼ばれるパソコンで、これは作られた時点では新品でお客様に納品したが、お客様が使用できなかった(初期不良)ということでメーカーに戻ったマシンのことだ。

 このマシンを修理して販売するのだが、米国ではこのリファービッシュトパソコンを新品として販売することが禁止されている。これは、たとえマシンのメモリーカードが抜けていたという理由であってもだ。米国でパソコンを買う場合は、中古ではなくリファービッシュトを探すのが、上手なパソコンの探し方だ。(米シアトル発:パシフィックソフトウェア パブリッシング 内倉憲一)
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