北斗七星

北斗七星 2004年2月2日付 Vol.1025

2004/02/02 15:38

週刊BCN 2004年02月02日vol.1025掲載

▼血気盛んな若い頃の記憶を、人はそうも簡単に忘れてしまうものなのだろうか。将来に対する期待と不安。その中で頑張ろうとした自分の姿は、普通の人なら心に刻まれているはずだ。学生時代の記憶。それを巡って民主党・古賀潤一郎衆院議員の学歴詐称疑惑が波紋を呼んでいる。本人は卒業したつもりだったかもしれないが、どこでボタンを掛け違えたのか。本人自ら米国を訪れ、調査したにもかかわらず、いまだに歯切れの良い弁明は聞こえてこない。

▼マニフェスト(政権公約)選挙が浸透しつつあるなかで、学歴詐称が実際にあったとすれば、レベルの低い話だ。何万、何十万もの人が期待を込め票を投じてくれたことの重みは計り知れない。かつて、ある閣僚経験者と話していて、票の重みについて聞かされたことがある。「有権者が自分の名前を1字1字エンピツで書いてくれたことの積み上げで今がある。その期待に対する責任は重いし、またそれだけの人を動かせた自信があるからこそ政治を動かせる」。

▼実に晴れやかな顔が並んだ。1月23日の「BCN AWARD 2004」の表彰式で、最優秀賞に輝いた企業の方々の表情は自信に満ち溢れていた。1台1台、1本1本の販売実績の積み上げ。実売データに裏付けられて勝ち取った栄誉だけに、その表情に曇りはない。かの閣僚経験者の言葉を借りれば、「それだけのユーザーを動かせた自信があるからこそ」といったところか。自信が明日のIT業界を築いていくのだろう。
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