北斗七星
北斗七星 2004年1月19日付 Vol.1023
2004/01/19 15:38
週刊BCN 2004年01月19日vol.1023掲載
▼「食の安全」は人が健康的な生活を送る上で、極めて基本的な問題。日本では、病原性大腸菌O157による食中毒の発生後、HACCPやトレーサビリティ(追跡)システムの考えが普及し、BSEの影響もあって「e─Japan戦略Ⅱ」の中ではITを駆使したシステムの確立が実現目標になった。
▼日本では牛肉の全頭検査が義務付けられている。米国の場合、飼育頭数も日本とはケタ違いなこともあり、全頭検査は行われていない。食の安全を確保するためにも、全頭検査で「シロ」とならない限り輸入解禁は難しいだろう。ちなみに、米国は日本などBSEが発生した国からの牛肉輸入を認めていない。
▼米国産牛肉の輸入中止で外食産業に影響が出ている中で、今度は鶏肉にも不安が広がっている。世界各地で米国産牛肉や鶏肉の禁輸措置が取られている。「食の安全」のためには必要だとはいえ、経済的な影響は避けられず、風評被害も懸念されている。無責任な「安全宣言」に余計な疑念も浮かんでくる。
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