北斗七星

北斗七星 2004年1月5日付 Vol.1021

2004/01/05 15:38

週刊BCN 2004年01月05日vol.1021掲載

▼昨年末、「今年の暮れはいつもの年と違う。異常だ」という話を大塚商会で聞いた。「例年だと、年末最後の1週間には新しい商談話などほとんどなかった。ところが今年は、新規の商談が次々と舞い込んでくる。26日もかなりの大型案件でユーザー先に出向く。こんな経験は初めて。景気の先行きに多少の明るさが見えることが、抑えに抑えてきたIT投資に対する姿勢を変えさせているのだと思う」というのが同社の分析だ。

▼2004年。「景気は緩やかにしろ回復基調を続けるだろう。不安要因は円高。100円を切れば大変なことになるので、そうならないことを祈っている」(村瀬治男・キヤノン販売社長)というあたりが、代表的な景気感だろう。景気は今以上に悪くなることはないという認識が、IT投資の復活につながっていることは確かだろう。ただ、IT投資復活を享受できるベンダーはそう多くないようにも見える。昨年の業界を一言で総括すれば、あらゆるジャンルで価格破壊が進んだ年だった。

▼「ハードでは儲からない」ことから、ソリューション販売をメーカーも販売会社も提唱してきたが、「儲かるソリューション販売」のビジネスモデルが見えているわけではない。過去の例で言えば、価格破壊は「仕掛けた方」が生き残り、受け身で参戦せざるを得なかった側は淘汰されてきた。その意味で、今年は「儲かるソリューションビジネスの確立」が業界の横断的課題となり、それができたところだけが生き残っていくだろう。
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