北斗七星

北斗七星 2003年12月22日付 Vol.1020

2003/12/22 15:38

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

▼「毒まんじゅう」、「なんでだろう~」と並び、「マニフェスト(政権公約)」が今年の流行語大賞を受賞した。受賞者の北川正恭・新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)代表、早稲田大学大学院公共経営研究科教授は、「毒まんじゅう、なんでだろう~なら、一般の人にも取っつきやすい言葉だけれど、マニフェストは馴染みがない。それが流行語大賞になるくらい一般の人にも認識してもらえた」ことの蕫意義﨟を重視する。最初の頃は、新興政党の怪しいキャッチフレーズと受け取る人も多かったそうだ。

▼「マニフェストをしっかり実行すれば、必ず日本が変わる」。北川代表の口からは、改革派の前知事らしい力強い言葉が飛び出す。具体的な数値目標を掲げ、いつまでに、どんな予算の裏付けで実行していくか。民間の経営なら当たり前のことが、これまで政治、行政の世界では忘れ去られてきた。時代は変わりつつある。もっとも、民間の経営者の中にも蕫カラ公約﨟を掲げる人もいないではないが。

▼そんな北川代表が、最近提唱を始めた言葉が「称賛社会」。一進一退する景気、テロの恐怖など不安定な社会情勢下にあって、人はともすれば、他人をけなすことで自身のバランスをとろうとする。そうでなく、人を誉めることで希望を与え、自身も夢をもたせてもらう。そんな社会を意味するそうだ。バブル経済崩壊後、余裕をなくした日本人が久しく忘れていた感覚かもしれない。来年は「夢をもてる年」になることを願いたい。
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