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事業再編の効果は?

2003/12/22 15:27

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

 世界的な価格競争でパソコン事業が大ダメージを受けた東芝。9月にパソコン事業の再建策をまとめ、海外の間接要員500人の削減、中国・アジアへの生産シフト・開発の移管などを10月1日付で断行した。さらに海外パソコン事業の再編に連動して、国内でも企業向けパソコン事業を東芝情報機器に移管するなど荒療治を実施した。

 一連の再建策を実行しても、デジタルメディアネットワーク社社長の新田義廣・執行役員上席常務によれば、「10月に改革を行ったからといって、すぐに効果が表れるということはない」と事も無げに言ってのける。

 パソコン事業の不振を大きな要因として9月中間期でも赤字となった上に無配転落。事業改革のスピードが下期の業績改善を左右することになる。岡村正社長によれば、「10月に実施した対策は、損失を最小限にとどめようという対策で、緊急的な処置に過ぎない」。パソコン事業の“大手術”というよりは、“止血”をしたに過ぎないとか。

 岡村社長は、「パソコン事業を本格的に再生させるためには時期を見ながら第2次、第3次の改革の手も打っていく。それでなければ基幹商品となりえない」というが、本格的な治療はまだ先の様だ。とりあえずは延命策というところか。
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