ソウルの街角から
<ソウルの街角から>6.P世代
2003/11/10 19:47
週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載
いま韓国の政治を握り始めたのは386世代。1990年代に登場した言葉で、30代で学生運動が盛んだった80年代に大学に通った60年代生まれを意味する。学生運動を卒業した386世代は、国会議員や市民運動の先頭に立っている。最も社会に関心のある40代がここに含まれる。その次がX世代。70年代前半生まれで90年代に大学に通った自己中心でブランド物にお金を使い始めた世代だ。1つにまとまらないという意味でXがついた。
ここまではまだ若い人種だけの流行や現象を「世代」としてまとめていたが、続けて登場したN世代からは韓国全般の特徴をまとめたものになった。N世代はネットワークのNで、インターネットや携帯電話が生活の全てと言えるほど、ネットが好きで最新機器が大好きな世代だ。そして、ワールドカップと大統領選挙以降、「私は世界を動かせる」と自信(Power)と情熱(Passion)が溢れ、積極的に社会に参加(Participation)するP世代が登場した。P世代は17歳から39歳までと年齢も幅広い。
P世代はネットとTV視聴に1日平均6時間以上かけ、ネットは楽しい、情報、会話を意味すると考えている。P世代の90%がネットなしでは生きていけないと考え、43%が平均2.39個のコミュニティサイトに会員登録していて、オフ会にもよく参加すると答えた。
貧しさを知らず、自分の感情に正直だけど合理的な人間でいたい、社会の中心になりたいと願う。社会、経済、政治に興味があり、積極的に自分の意見を主張する。まわりが何を言おうと、自分の好き嫌いでものを判断する。これが典型的な今の若い韓国人でもある。
ショッピングも変化している。何を買うにもネットで商品情報と値段を調べてから買う。自分の判断を信じ、モノより自分自身にお金をかける人も多い。ラテンダンス、インラインスケートなど健康に敏感で、値段は高くても体に良いものを追求するグルメも増えた。自己アピールもすごい。ネットの掲示板に自分の写真を載せ、不特定多数のユーザーに美貌を評価してもらい「ネット芸能人」として活躍する人も多い。
以前は偶然ネットに掲載された写真を見たプロダクション関係者に抜擢されるケースが多かったが、今はそれを待ったりしない。自分が世界の中心なので、誰がどう考えようと自分がやりたいように動く。個人主義だけど閉ざされているわけでもなく、コミュニケーションするのは好きだけど他人の干渉は嫌うP世代。複雑だな~。
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