Letters from the World

中国の国際展示会

2003/10/27 15:37

週刊BCN 2003年10月27日vol.1012掲載

 広州交易会、正式には中国出口商品交易会というが、現地では略称の広交会とも呼ぶ。この秋で97回目を迎えた。春秋の年2回の開催で、第1回目は1957年という由緒ある中国の国際展示会である。10月15日から30日までの期間を内容により第1期と第2期に分けて展示される。今回、第1期を訪問してみた。第1期には電子電気IT製品が含まれる。その分野に限っていえば、それほどの規模でなく、総合展示会の一角の規模にすぎない。

 南アジア、中近東やアフリカなど第三世界からのバイヤーが多く、その市場デマンドとサプライのマッチングの良さが想像される。日本や欧米のバイヤーにとっては、その商品の位置づけや、品質レベルのギャップのせいか、あるいは新型肺炎SARSの後遺症なのか、例年よりも目立たなかった気がする。もっとも、現場での具体的な商談など、トレードショーの本来あるべき姿を保っているし、実際の商談も現場で行われており、活況を呈していた。

 表示されている社名と実際の社名が異なっている場合も多く、混乱を呼ぶ。これは、それぞれのブースの価格が、国際的な相場に比べ高いにも関わらず、人気が高くブースの転売が盛んだからである。マザーボードの展示のすぐ脇で、照明器具を展示していたりと、カテゴリーとその内容がマッチしていないのは、そういった理由による。ブースの展示のレベルは、あまり高くない会社が多いが、逆に最近のコンピュテックスなどに見られるお祭り騒ぎ的な要素は少なく、素朴さが感じられ新鮮ではある。

 IT関連企業の出展は少なく、物足りなさを拭えきれない。家電は、KonkaやTCLなどの国内市場を制覇している有名ブランドが当然のことながら大きなブースを構え威厳を保っている。広交会に来ていつも感じることだが、広交会の期間の物価の高さには驚かされる。展示会の国際化を目指すのはいいが、会場内のレストランなどの価格も国際価格というのでは、ちょっといただけない。(広州発:アコードインターナショナル 原 真)
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