BCN FORUM

玉石混淆、どう選り分ける

2003/10/27 15:27

週刊BCN 2003年10月27日vol.1012掲載

 10月1日から個人用パソコンのリサイクルがスタートした。使用済みパソコンが、リフレッシュされて中古品として販売されているパソコン売り場を覗いてみたが、価格的な魅力もあるせいか比較的順調のようである。

 一方、中古品として販売できないパソコンについては分解して部品を取り出しリサイクルしたり、金属部品は破砕することになる。パソコンのマザーボードを破砕して選別すると、約30種類の金属が再利用できるという。中には金のような貴金属もあるが、多くは、はんだに由来する鉛が多い。工学院大学工学部環境化学工学科の藤原幸男助教授は、この鉛を含めて「多くの金属部品に有害性を持つ金属が含まれている」と指摘する。

 はんだで固定された電子部品を1つ1つプリント基板から取り除くのは不可能だ。破砕して、金属と樹脂部品を選別する技術の開発も必要になる。最近のパソコンは「メーカーの環境対策が強化されたことで、鉛の使用量などが減っている」と、環境への配慮も進んできた。藤原助教授の見るところ、「ウィンドウズ95登場の前と後でボードの設計が変わるとともに、環境対策も取り入れられている」とか。それでも残る有害金属の効率的な分離が藤原助教授の研究テーマだ。
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