北斗七星

北斗七星 2003年10月20日付 Vol.1011

2003/10/20 15:38

週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載

▼デジタルカメラ業界で、一眼レフデジカメの競争が始まっている。今、もっともホットな商品がデジカメである。カメラ業界の業界団体であるカメラ映像機器工業会(CiPA)は、8月に、年初に出していた国内出荷見通しを上方修正した。769万台から828万台と、59万台の上乗せをしたのである。銀塩カメラの場合、最盛期でも年間需要は600万台が上限だった。それをあっさり追い抜いただけでなく、業界内では1000万台は可能との見方が強まっている。

▼数少ない成長市場だけに、競争はきわめて厳しい。ここ2年ほどを見ても、キヤノンの巻き返し成功、カシオ計算機の復活などが話題になった。現在5強と呼ばれるのは、ソニー、キヤノン、オリンパス、カシオ計算機、富士写真フイルムで、10―18%の間で熾烈なシェア争いを展開中だ。後に続くのが、ニコン、コニカミノルタカメラ、松下電器産業、ペンタックスなど。いずれも力のあるメーカーだけにシェア逆転の可能性は十分あると踏んでいることであろう。

▼パソコンと違って、キーテクノロジーをどこかに握られている訳ではない。差別化の手段は多様で、ひと頃の画素競争を越えた後、薄型化、シャッタースピードの速さ、生活防水化など各社各様のアイデアが形になり、業界活性化に結びついた。ただ、1000万台が見えてきた現在、シェア取り競争は最終コーナーに差しかかったと見るべきだろう。最終的には、一眼レフデジカメを制した企業が生き残る、そんな声も聞こえてくる。
  • 1