ソウルの街角から
<ソウルの街角から>1.韓国コンテンツが好き
2003/10/06 19:47
週刊BCN 2003年10月06日vol.1009掲載
数年前まで、アジアで人気を誇ったのは日本の芸能人だった。韓国でも日本の大衆文化が禁止されていたが、SMAPや浜崎あゆみの歌がショッピングモールで流れたり、日本人街に行けば日本ドラマの録画ビデオをレンタルしてくれるお店があったり、禁止されているからこそ人気があったような気がする。
来年ついに日本の映画、ドラマ、音楽などコンテンツが全面開放される。今までは映画だと映画祭の受賞作だけ上映が許可された。ジブリのアニメはほとんどの人が見ているし、キャラクターショップにはトトロのぬいぐるみが山積みされている。1990年代後半には「ラブレター」の影響で北海道ツアーが大人気、夏休みにはチャーター便まで飛んだ。「お元気ですか」が流行語にもなった。だが、日本の大衆文化が開放されても以前のような影響力はもうないと言われている。
最近では時代劇やインターネットの個人ホームページに連載された小説のドラマ化など、「純韓国物」が大人気。「シュリ」、「JSA」といったヒット作が続き、映画の収入ランキングもハリウッド映画より韓国映画の順位が高い。インターネットではこの傾向がもっと強い。ポータルサイト人気1位はヤフーではなく、韓国ベンチャーの「DAUM」、「NAVER」、アバタ(ネット上の分身)は「SAYCLUB」、ゲームは「リネージュ」、「ミュー」など韓国サイトが制覇している。
韓国人の自国コンテンツに対する愛情は、ここ数年の間一気に芽生えた。一番大きな理由はやっぱり昨年のワールドカップであろう。「韓国人でよかった」という言葉が自然に口から出たのはあの時が初めて、という人が本当に多かった。何でもパリパリ(早く早く)で、忘れるのも早い韓国人がワールドカップの感動をいまだに胸に秘めている自体がすごいことでもある。このパリパリに追いつけるコンテンツは韓国物しかない、というのも海外コンテンツが流行らない原因の1つである。日本大衆文化全面開放でこの流れが変わるかどうか、楽しみだ。
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