北斗七星

北斗七星 2003年9月29日付 Vol.1008

2003/09/29 15:38

週刊BCN 2003年09月29日vol.1008掲載

▼小泉第2次改造内閣が発足した。自民党内からも更迭の声が挙がっていた竹中平蔵・経済財政・金融担当相をはじめとして6人が留任しており、「変わった」という感覚には乏しいが、首相の言う「改革路線」が堅持されるという意味では6人の留任は不可避だったのだろう。石原伸晃・前行革相が国土交通大臣に横滑りし、日本道路公団改革が本格化するという期待も出てくる。すでに、藤井治芳総裁の更迭が報道されている。

▼拉致や不良債権、郵政民営化、年金制度改革、農産物自由化など内外に数々の課題を抱えながら、どれも見るべき進捗がないのは残念なことだ。多くの大臣が留任したことは、問題の解決を停滞させないための方策とも取れるし、11月にも行われる衆院選までのつなぎとも取れる。

▼新内閣ではIT担当のポストを、茂木敏充・沖縄・北方・科学技術担当相が引き継ぐ。e―Japan重点計画が、基盤整備の段階から利活用推進を目指して第2段階に進んでおり、もっと地方の声も汲み上げてIT先進国作りに取り組まねばなるまい。そのために、関連各省の縄張り争いを排除することも必要になるだろう。

▼自民党幹事長に安部晋三・前官房副長官を抜擢したこともあり、マスコミ各社の世論調査では、小泉内閣に対する支持率も自民党の支持率も上昇した。発足と同時に株価ダウンと円高のダブルパンチを食らったが、まずは順調なスタート。願わくば首相の言う「改革路線」がスピードアップすることを。
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