Letters from the World

出展者とビジター

2003/09/15 15:37

週刊BCN 2003年09月15日vol.1006掲載

 昨年までキースリーメディアという会社が運営していたコムデックス。気がついてみると、メディアライブインターナショナルという名前にかわっている。この会社が、コムデックス、ネットワールド+インターロップ、セイボールドセミナーズ、ジャバワンといった展示会をすべて主催している。昨年のコムデックス後に書いたコラムでは、コムデックスは誰にでも開放する今の形態では出展する意味がないという話をした。キースリーメディアからメディアライブインターナショナルになった今年のコムデックスはどうか。

 ここ10年ほどそうだが、コムデックスは無料で入場できるというのが当たり前になっている。事前にインターネットで登録さえしておけば、現地でバッジとホルダーを受け取るだけでよい。その前は無料ではなかった。もちろん出展者の招待券を持っていれば話は別だ。そういうことから出展者とビジターの関係は昔は守られていた。そう、ソフトバンクがコムデックスを買収する前からコムデックスは人を入れることばかりに集中していたのだ。このためにアップルコンピュータが消え、IBMが消え、インテルが消えていった。

 今年になって無料の入場券はなくなった。インターネットで前売り券を買うと50ドルで入場できる。しかし、当日現地で購入すると100ドルになっている。当然だが、出展者には無料の招待券が配られる。昔のシステムに戻したわけだ。消費者の立場としてはコムデックスに無料で入れることはうれしいことだ。しかし出展者の立場を考えれば、有料にして無駄なビジターを足止めし、本当に商談ができる展示会になってくれる方がありがたい。ビジターとしても、業界に関係のない人が多く歩き回っているよりも、50ドルや100ドル支払って出展者と本当に質の良い商談ができる方が良いに決まっている。本当の商談ができるコムデックスを期待して、私は今年もコムデックスに向かうことにする。(米シアトル発:パシフィックソフトウェア パブリッシング 内倉憲一)
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