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最後は“人”

2003/09/15 15:27

週刊BCN 2003年09月15日vol.1006掲載

 電子自治体構築に向けた取り組みが進んでいるが、その歩みはまちまち。関西地方のある市では、「いよいよ本格的に着手」という段になって市長が代わったことと、財政難から昨年度に比べ今年度は大幅にIT化の予算が削られたとこぼす。情報政策の担当者は「昨年度までに文書管理などの準備を行ってきたが、今年度は継続もできない」と、やや呆然とした面持ち。

 自治体の多くが財政難にあり、さらに追い討ちをかけるように地方交付税交付金の減額など、環境は一層厳しくなるばかり。いきおい政府の実証プロジェクトや補助金施策に飛びつくが、競争が激しいだけでなく、「提案に新規性を盛り込むことが難しくなった」と知恵の出し納めの感もある。

 首長が先進的な取り組みに熱心な自治体はそれでも恵まれている。「行政の仕組みを変えるIT化は、ボトムアップよりもトップダウンで、という方が確実に進む。トップの考え方次第で方向はどうにでもなる」というのは、IT化に熱心な自治体の担当者。

 口先きだけの改革にも困ったものだが、その口先きだけの改革さえも出てこないのでは何も変わらない。自治体のIT化で行政の仕組みが変わるといっても、ハードやソフトだけでなく、やはり最後は“人”なのである。
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