▼オフィス向けカラープリンタ市場の伸びがもうひとつのようだ。伸びてはいるのだが、業界がもくろんでいた倍々ゲームというほどの勢いはない。そんななか、モノクロプリンタの生産は止めてしまった方がいい、という極論さえ飛び出してきた。1つの方向性ではある。オフィス向けカラープリンタの普及に弾みがつかないのは、ビジネス文書の大半はモノクロで良く、カラー印刷が欲しいのはグラフ部分など一部に限られている、カラーのランニングコストが高い、の2点に集約できる。1枚10円ちょっとかかると聞くと確かに高いと思う。

▼意外に知られていないのだが、モノクロ印刷については、カラープリンタで印刷する方が、モノクロプリンタで印刷するよりも安いのである。当初は一部メーカーだけだったが、今ではほとんどのメーカーもこのような価格体系に変えている。カラーは時たま使うだけなので、おまけでいい、と考えているユーザーは多い。こうした層にはぴったりの価格政策である。

▼テキスト部分はモノクロ、エクセルでつくった表やグラフにだけ色がついている。これなら、カラーのランニングコストをあまり気にせず使えるようになる。まずはこんな使い方の普及を図る方が先決だろう。カラーというと、全ページカラー印刷を前提に、色がきれいなどの点を強調しすぎるのではないか。オフィスのカラープリンタに写真高画質は必要ない。モノクロプリンタでありながらカラーも取れると訴えた方がよい。