Letters from the World

李登輝の日本語が聞けるサイト

2003/07/21 15:37

週刊BCN 2003年07月21日vol.999掲載

 華人、中国人、華僑の区別をはっきりいえる人は少ない。大陸の中国人でもはっきりした定義はないらしく、中国領に住むモンゴル人やチベット人は中国人なのか、というと回答にも困るらしい。さらに少数民族は除くとか、満州族はどうなのだ、とか、議論するときりがなくなる。ここに台湾人は中国人かどうかの議論も加わると、政治的な話題を避けたとしても、結論は出ない。とりあえず共通していることは、北京語がほぼ標準語になっているということだろうか。

 このあたりは政治問題とも絡み、現在の中国の若い人はきちんとした歴史認識をもっていない。台湾の歴史や総統の知識に関しては、相当バイアスがかかるのは致し方ないのだろう。蒋介石、李登輝あたりになるとかなりの悪者として認識されている。華人のしかも著名人のなかで、日本語が堪能な人は多い。この人の日本語をぜひ聞いてみたかったと思うのが、テレサテンとか、蒋介石など。とくに蒋介石は、若い頃は石岡という日本名ももっていたといい、さぞかし日本語は上手だったであろうと想像される。

 国父として尊敬される孫文も日本留学しているし、この時代の知識階級で日本語を話せる華人はかなり多かったと思われる。前台湾総統の李登輝は、日本人なみの日本語を話すことでも有名である。台湾の日本統治時代の日本の貢献を素直に称えたりし、その親日ぶりは際だっている。

 しかし、台湾では公共の場所で日本語を話すことはまずないので、機会があれば、ぜひ一度はその日本語を聞いてみたいと思っていた。3月1日、台北日本人学校で「台湾の歴史において日本人がしたこと」というテーマで李登輝が講演を日本語で行った。その様子をインターネットで聞くことができる。確かに正統な日本語であると感心する。台北日本人学校のホームページ(http://www.taipeijs.org/)からビデオファイルをダウンロードできる。(台北発)
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