BCN FORUM

新しいドットコム企業

2003/06/09 15:27

週刊BCN 2003年06月09日vol.993掲載

 ITバブルが去った今、ピーク時に比べてドットコムカンパニーの熱も冷めたと言われる。しかし、実際はそれほどでもない。目立たないところで、熱くインターネットの可能性を語り、新しくドットコムビジネスを始める若者が増えている。

 バブル時の異常さから、平常な状態へと戻っているため、数年前の一攫千金を夢みるような若者は、さすがに減った。だが、サラリーマンではなく、自分らしさを求める若者らが、次々とドットコムカンパニーを打ち立て、新しいサービスを始めている。中小企業挑戦支援法で1円からでも株式会社を始められるなど、起業への敷居が低くなったのも追い風だ。

 今年4月からウェブで電子基板を受注・製作するサービス「P板ドットコム」を立ち上げたインフローの田坂正樹社長は、「小さく始めて、大手資本の参入を避けながら、堅実にビジネスを拡げる」と話す。電子商店向けの梱包用段ボールを卸売りするオーダーボックス・ドットコムの四方祥樹社長は、「ニッチなところにビジネスチャンスがある」と、誰も手がけなかった独自のサービスを手堅く始めている。

 派手さはないが、起業意欲は以前にもまして根強くなっている。ある意味、これがベンチャーの正常な姿なのではないか。
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