旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->29.ヨーロッパの旅 IV-(2)ミュンヘン

2003/05/26 15:27

週刊BCN 2003年05月26日vol.991掲載

 いよいよ待望のオリエント急行の旅である。格調高い国際列車なので、全員紺のスーツ姿で朝9時ブタペスト東駅を出発、ミュンヘンに向かった。

 タイムトンネルを1世紀以上戻し、往年の貴族や富豪たちの身になって、豪華な設備の個室を占有し、生バンド付きのサロンや食堂車で優雅な一刻を過ごすことができた。列車はドナウ河沿いの緩やかな丘陵地帯を一路西に向かって進み、途中2度の国境通過の際に車掌が乗車券とパスポートの検札に来た。いかにも国際列車らしい。記念に乗車券とコースターを頂いた。

 19時、ミュンヘン中央駅に到着。久しぶりに日本食を楽しむ。ミュンヘンは南ドイツにあって、人口130万、アルプスの北麓にある古都で、ビールと美しいバロック芸術の都である。またヒットラーのナチス党発祥の地でもある。世界的なビールの本場であるばかりでなく、自動車のBMW本社やエレクトロニクスの工場が多く、ドイツの主要産業都市になっている。

 美術館や博物館も多い。なかでも人気のあるのがドイツ博物館で、世界の工業技術発展の歴史を模型や複製などで展示しており、その豊富な量と質に驚いた。

 戦災で市街は45%破壊されたが、重要建造物はヨーロッパのほかの都市同様、マーシャルプランによってほとんど復元されていた。そのなかの1つ、市庁舎の時計台塔のなかで、1時間ごとに音楽に合わせて人形が回転しながら踊っていた。

 ミュンヘンの市民はお祭り好きであり、とくにその日は年間最大行事のオクトーバーフェストの期間中だったので、広い会場一杯に人が溢れ、大きなビールジョッキが飛ぶように売れていた。

 郊外にあるメルヘン城は山と湖に囲まれた、美しいメルヘン調の世界で大変人気がある。時間の都合で、ここを訪問できなかったのは残念だった。
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