Letters from the World

米国のトレードショー

2003/03/24 15:37

週刊BCN 2003年03月24日vol.983掲載

 日本から見た場合、米国のIT関連トレードショーというとコムデックス、マックワールド、E3、ネットワールドという名前を考える場合が多い。しかし、本当に役に立つトレードショーは、ただ単に多くの人を集めるショーではなく、オーディエンスが明確になっているトレードショーなのだ。例えば私の会社が出展するワシントンDCで4月8日から10日まで開催されるFOSEというトレードショーがある。

 既に今回で27回目を迎えるこのトレードショーは、もともと、Federal OfficeSystem Exhibitと言われたものだが、15年前からFOSEという名前だけが残った。決して巨大なショーではないが、米政府を対象にしたトレードショーだ。要するに政府にIT関連商品を売りたい場合は、このショーに出展するのが一番の近道なのだ。このショーでは、すぐに商談に結びつく。もちろん商品が良い場合だ。私の会社はアップルコンピュータのブース内に出展することが決まっている。今回のショーのように、売り先が決まっているショーは簡単だ。資料も米国政府向けの資料だけを準備すればよい。

 米国では、このようなトレードショーが各地で頻繁に行われている。昔は、コムデックスのように多くの人を集めて、花火を上げる、まるでお祭りのようなショーが主流だった。米国でもコムデックスの倒産を含めて、IT関連の景気が良いとは言えない。トレードショーも投資効果を検討される時代になった。日本ではまだ、米国のように市場を明確にした小規模なトレードショーが少ないのではないか。これは、トレードショーが、直接ビジネスをつくり上げる場ではなく、お祭りの場所になっているからだろう。しかし、いつまでもお祭りに出られる企業は多くない。日本でもこれからは、売り先を明確にした、そして直接商談につながる投資効果の高いトレードショーが求められているのではないか。そのようなショーがあれば米国から私の会社は出店してみたい。(米シアトル発)
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