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パートナー施策の難しさ

2003/03/24 15:27

週刊BCN 2003年03月24日vol.983掲載

 サイボウズ(高須賀宣社長)の大企業向けグループウェア「ガルーン」の販売本数が計画値を大幅に下回っている。当初目標は、昨年度(2003年1月期)で8万ユーザーだったが、実際は3万ユーザーにとどまった。

 もともとサイボウズは、中小・SOHO企業向けの直販が主体だったが、昨年9月に大企業向けのガルーンをシステム販社経由で販売する施策を打ち出した。

 目標数に達しなかった理由について、サイボウズでは、(1)パートナー(代理店)9社に対する教育・支援体制、販売インセンティブ(売り上げ報奨金)プランの未整備、(2)ポータル機能の充実や他システムとの連携など、パートナーが売りやすい機能の不足――などを挙げる。

 実は、ガルーンの“初速不調”を端的に示す事例が、大塚商会のEIP(企業情報ポータル)導入だ。同社はガルーンの販売パートナーになっているものの、今年5月をめどに稼働するEIP(ユーザー数約7400人)に、子会社のオーエスケイ社製の採用を決めた。

 ガルーンは、大規模システムのなかでは、限りなくEIPの位置づけに近く、本来ならばガルーンで代用できる。高須賀社長は、「とっても残念」と、パートナー施策の難しさを改めて実感したとも受け取れる神妙な感想を漏らす。
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