北斗七星

北斗七星 2003年3月17日付 Vol.982

2003/03/17 15:38

週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載

▼通常であれば、企業向け商戦の追い込み時期である3月にもかかわらず、悲観的な声ばかり聞こえてくる。「前年に続き、今年も企業市場は厳しい状況が続きそうだ」。確か昨年のこの時期も、金融機関の大型倒産が起こるとの観測から不安があり、「新規IT投資を先送りにする」という企業が増えた。今年も大手銀行は軒並み赤字決算の見通しで、日経平均株価も8000円を割り込むなど明るい材料がない。企業市場が厳しくても仕方ない。

▼だが昨年も、「全般的には市場は厳しいものの、足を使って探すと顧客は存在する」と営業力で不況を跳ね除けた販社があった。汗をかき、ビジネスを活性化するというと、何やら精神論を振りかざしているように聞こえてしまうが、決してそういう意味ではない。全体を見れば状況が厳しくとも、個々の企業に目を向けると案外元気な企業はある。その元気な企業に出会うための努力が必要だということだ。

▼大手企業の中には、いまだにウィンドウズ95が案外大量に残っているそうだ。用途が限定されているため、使う側は不自由なく使用しており、わざわざ置き換えの必要性を感じないのだ。置き換えを進めるためには、企業側に相当のメリットがなければならないようだが、例えば「IT減税」を絡め、「今こそ切り替え時では」と汗をかいてセールスをしてみるのはどうだろう。「不況だから」とあきらめる前に商談を掘り起こす努力をすることは決して無駄ではない。
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