クロのちょっとブレイク

<クロのちょっとブレイク>1 どうしたハリソン・フォード

2003/01/06 15:26

週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載

 はじめまして!の襟川クロです。女子大生DJから映画ワールドにスライドして20ン年。雑誌、新聞、TVにラジオにと喋って書いての毎日。雨にも台風にもメゲず夏の猛暑もなんのそのと年間600本近い新作との出会いを楽しんでます。そりゃ玉石混淆。お勧めばかりじゃありません。中身はスカスカなのに見栄えだけ派手とかTVドラマそのまんまとか、理解に苦しむものも少なくない。

 でもその一方で、思わずクスッとなったり幸せ気分を味わえたりできる拾い物との遭遇も。映画ファンの好みは十人十色。作る側も人それぞれ。評論家やプロもいろいろです。要は中身がよくできているか、好きな映画かってこと。

 このコラムでは、愛のある厳しさをモットーに、新作情報、来日スターや監督たちのアレヤコレヤ、インタビューの裏話に素顔暴露とテーマはバラバラ。仕事ではノリと真面目が売りの職人パーソナリティ(ホントだってば)のくせに性格が相当アバウトなもんで何が飛び出すか見当つかず。すいませんねぇ。気軽なティータイム・モードでいきますんで3か月だけお付き合い下さい。

 あれ?!自己紹介だけでスペースが!1回目は大好きなハリソン・フォードをお時間まで。

 「K-19」では初の製作総指揮と主役を兼任。これまで封印されていた米ソ冷戦時代に起きた“地球滅亡に通じる危機”を再現してます。緊迫感は伝わるし、命をかけた男たちのドラマとしても感動的なのですが、どうもハリソンの輝きがない。

 ソ連初の原子力潜水艦K-19の指揮官として凛々しくカッコ良く…と思いきや、副艦長の方がずっと印象的。これまでワイルド系も大統領役もセクシーでピッタリだったのに制服は似合わないしどこかマヌケ。俳優は演じてナンボ。その役に見せるのが演技力。実在のモデルに顔はそっくりかもしれないがキャラ設定はファジーだし魅力が薄い。

 監督の演出ミスかミス・キャストか。演技派ではないスターがオーラをなくした時、頼りになるのは共演者パワー。若手がとにかくすばらしいからよしとしますか。と言いつつ、実はラスト近くで号泣したクロなのでした。

 [襟川クロ]
 年間600本もの新作映画を制覇する元気印の映画パーソナリティ。BAY―FM「アクティブ・ウィークエンド」、COMING SOON TV「クロのムービーデリバリー」ほかに出演中。新聞、雑誌の連載から映画インタビュー、MCまでオールマイティにカバーする。
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