北斗七星

北斗七星 2002年12月23・30日付 Vol.971

2002/12/23 15:38

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

▼「帰」。日本漢字能力検定協会は、その年の世相を表す漢字を毎年募集、12月に発表している。京都の清水寺で発表された今年の一字は、「帰」。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致被害者の帰国をはじめ、2002年は、いろいろな面で「原点回帰」を考えさせられた一年だった。

▼今年のIT業界はどうだったか。やはり「原点に帰る」ことの大切さが際立った一年だった。詳しくは16・17・19面の特集に譲るが、パソコンが売れないなか、メーカー、販社、販売店ともに「とにかく商品の原点に立ち戻って、何に使うのか、どのように使うのか」を業界全体が模索した。

▼そんななか、低迷する市況から抜け出す動きも見られる。NECやソニーなどメーカー各社は、これまでとは違った新たなコンセプトのパソコンを今年の冬商戦に投入した。普及率が約6割といわれるパソコン市場で、新たな使い方を提案することで販売を盛り上げようとしている。ヤフー!BBをはじめとするブロードバンド市場の競争もにぎやかだ。通信インフラの向上でハードの販売に拍車がかかるだけでなく、そこを流れるコンテンツなどソフトの商品流通にも拍車がかかる。

▼そこで北斗子はあえて断言する。「03年、IT業界に明るい兆しが見えてきた」。こう断言しても読者の方からのお叱りを受けることはないのではないか。今年の一語は「帰」。米同時多発テロで世界が揺れた昨年の一語は「戦」だった。来年は「喜」と願うばかりだ。
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