北斗七星

北斗七星 2002年11月11日付 Vol.965

2002/11/11 15:38

週刊BCN 2002年11月11日vol.965掲載

▼2003年度の税制改革でIT投資減税が盛り込まれるかどうか、1つの焦点として浮上しているようだが、業界としては、もっと声を大にしてその必要性を訴えるべきであろう。それも、中小零細企業のためのIT投資減税という論点に絞り込んだ方がよい。

▼詳細な理論武装は専門家に任せるとして、まず指摘できるのは、日本経済を底辺で支えているのは膨大な数の中小零細企業である。不良債権処理策で、貸し渋りの被害を真っ先に受けるのがこの層であることはほぼ見えているが、実はIT化でもこの層は取り残されつつある。500万とも600万ともいわれる膨大な数だけに、玉石混淆は確かだろうが、玉になり得る可能性を持った人たちがいることも確かである。

▼玉になり得るかどうかは、経営者の資質こそが決め手になるのだろうが、それに次いで重要なファクターとなるのはIT化である。ブロードバンド化という大きなうねりのなかで、そのネットワークを活用できない企業は否応なく切り捨てられていく。このこと自体は、はっきり見えているといってよい。

▼そうとすれば、政府はインフラ整備に役立つ何らかの策を講ずるべきである。IT投資減税は、その点で相当な効果をもたらすはずだ。パソコン普及率、ネットワーク化率など、IT指標では最も低率となる、この層の救済策を早急に講ずるべきである。でないと、最先端IT国家を標榜するe-Japan戦略も絵に描いたモチになりかねない。
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