ITテッなライフ

<ITテッなライフ>2.おばちゃん男、増殖中

2002/10/14 15:26

週刊BCN 2002年10月14日vol.961掲載

 普段、話して安らぐのは「おばちゃん」が多かったりする。私の「おばちゃん」の定義は、(1)世話を焼くのが三度のメシより好き。(2)深刻な悩みを掃き掃除するみたいにサッサと、どこかへ飛ばしてくれる。(3)どういうわけかいつもお菓子をしのばせている。

 最近、男性にもおばちゃんぽい人が増えてきた。通称「おばちゃん男」。

 ひと昔前「メッシー」とか「アッシー」なんて言葉が流行っていたときに「民生委員」という名で存在していた種族の末裔に思われる「おばちゃん男」は、とくに何かのまとめ役を任せたら、その場に最適なパフォーマンスを見せる。それはもう素晴らしい働きぶりなのだ。

 筆頭にあげられるのが飲み会の仕切り役。席で初めて会う人がいても、皆を丁寧に紹介して距離を一気に縮めてくれる。話題を皆で共有しようとハリキる。何かオーダーする時もメニューをパーンと目の前に広げてくれ、わざわざ店の人を呼んで頼んでくれる。

 それでいて世話を焼いてやった、などという自慢気な態度を一切とらない(余談だがそんなタイプは「してやった星人」という種に属する)。

 だが、この頃、おばちゃん男の活躍範囲は飲み会にとどまらない。その陰にITの普及あり。

 例えば「ネットスーパーでこんなの見つけた。今日はお買得」、「あのお菓子、美味しいから絶対食べてみて」、「カゼに効く民間療法HPは…」などのメールで、女たちの生活の世話を焼いてくれるのである。

 以前からおばちゃん男だと思っていた男性に冗談で「おばちゃーん!」と言ってみた。

 するとすごーく怒られてしまった。その剣幕たるや顔にバンソコウをはったヒステリーなオバハンみたいだった。おおコワ…。笑ってかわしてくれてたら「いい人」だったのにぃ。

 おばちゃん男って、恋のハンター的なギラギラ感がない。これってホッと一息つける和菓子のようで、女の人はかなり安心して付き合えるおトクな存在だと思うのですがね。
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