北斗七星
北斗七星 2002年10月7日付 Vol.960
2002/10/07 15:38
週刊BCN 2002年10月07日vol.960掲載
▼無線の周波数帯は無尽蔵に存在するものではなく、第3世代用に割り当て可能な周波数帯域は当初から限られていた。このため、欧州ではこのわずかな帯域を手に入れようと、入札競争が過熱。結果、免許料は1社当たり1兆円レベルにも跳ね上がり、各社の屋台骨を揺るがすこととなった。一方、日本は入札方式は採用されなかったものの、「料金が高い」、「つながるエリアが少ない」などの理由で「FOMA」も伸び悩んでいる。
▼そもそも、第3世代を世界的に普及させようという大きな目的の1つに、「同じ端末が世界中どこでも利用できる環境」の実現にあった。現行の第2世代では日、米、欧で規格が異なるため、端末の共通利用は不可能だ。これが解消されるメリットは消費者にとって大きい。だが、日本は高速・大容量を追求する余り、膨大な開発コストが負担となり、欧州は高額の免許料で行政当局だけが潤う結果となった。消費者が求めるサービスとは何かをいま一度考える時だろう。
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