旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->13.パリ(1)

2002/09/16 15:27

週刊BCN 2002年09月16日vol.957掲載

 ハノーバーから1時間20分でパリのオルリー空港に着いた。寒いドイツと違ってパリは春であった。早速モンマルトルの丘に向う。

 白亜のサクレ・クール寺院から見下ろすパリ市街の眺望は、エッフェル塔を囲んで四方に広がっており、広場や緑が多く、さすがに世界一美しい都市と言われるだけのものがある。

 丘の上のテアトル広場は、無名の画家達が観光客のために絵を描いて売っている。私も記念にパリらしい家並みの絵を買った。

 モンマルトルの丘の下にある、赤いムーラン・ルージュの前を通って、セーヌ河岸に出た。ノートルダム寺院は、セーヌ河の中の島、シテ島にある。13世紀初頭の代表的なゴシック建築の傑作で、どこから見ても美しいが、なかでもセーヌ河の対岸からの眺めは壮観。薄暗い寺院のなかから仰ぐステンドグラスの美しさは到底言葉では言い尽くせない。

 翌日、ヴェルサイユ宮殿に向う途中ブーローニュの森に入る。ここは王家の狩猟場だっただけに非常に広大で、池や滝があり市民の憩いの場所になっている。

 そのうえ、ここと同じ位に広いヴァンセンヌの森が市の反対側にあると聞いて、公害に悩む東京の遅れを痛感した。

 ヴェルサイユ宮殿はルイ14世が建てた世界一豪華な宮殿と言われるだけに、金にあかせた室内装飾の絢爛さと、広大なフランス式幾何学模様の庭園はフランス宮廷文化の黄金期の象徴である。

 この美しい館のなかで、マリー・アントワネットが囚われの身になった悲劇を想い、感慨深いものがあった。
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