北斗七星

北斗七星 2002年8月26日付 Vol.954

2002/08/26 15:38

週刊BCN 2002年08月26日vol.954掲載

▼「黒船の撤退は早かった」。「米ナスダックが日本から撤退」のニュースは、そんな印象を与えるものだった。1999年6月、米ナスダックのフランク・ザーブ会長(当時)とソフトバンクの孫正義社長が、新会社「ナスダック・ジャパン・プランニング」の設立を発表。「いよいよ日本にもITベンチャーの時代到来」ともてはやされた。米ナスダック市場ではマイクロソフトやインテルなどのハイテク銘柄が取り引きされている、そこが日本に進出するというので、まさに「黒船の到来」だった。00年6月に上場企業8社でスタートしたナスダック・ジャパン市場。それからわずか2年。まさにあっけない幕切れだ。

▼そこで気になるのが、ナスダック・ジャパン市場に上場している98社の動向だ。大阪証券取引所は市場の名称を「ジャパン・ニュー・マーケット」(仮称)に変更して取り引きを継続するという。しかし果たしてどれくらいの企業が大証にとどまるのか。各企業からは、「大証に上場したつもりはない」、「ナスダックというブランド名が魅力だった」、「24時間取引ができないのではメリットが少ない」と、厳しいコメントが多い。

▼結局、ナスダック・ジャパンとは何だったのか。今回の撤退は、株式市場の低迷、日米のマーケット文化の違い、大証との関係云々など、様々な要因が言われている。いずれにしても、何らかの総括は必要だろう。「新興企業は上場することでようやく一人前の企業になる」という時代は終わっている。
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