パソコンじたばた日記

<パソコンじたばた日記>第7回

2002/08/12 15:26

週刊BCN 2002年08月12日vol.953掲載

 私のパソコンにアルツハイマーの疑いが出てきた。正確に言えば違うのだろうが、素人には、その程度のたとえ話で十分だ。つまり、徐々にではあるが自分のやっていることが分からなくなってしまうのである。「今はスイッチが入っている状態だ」ということも忘れてしまったり、人間にたとえるなら「徘徊」ともいうべきか、カーソルの暴走、画面の勝手なスクロールさえ始まった。

 復旧に駆けつけてくれた救援隊員S氏は、当初ウイルス感染を疑い、早速「治療」に取りかかった。

 まず現在、使っているハードディスクを取り外して、外付けのハードディスクを接続した上でWindowsをインストール。元のハードディスクのデータを新しいハードディスクにバックアップし、さらにウイルスバスターをインストールして、元のハードディスクのウイルスをチェック。「ウイルスじゃ、ないかも知れないですよ、これ」

 その段階でS氏は難しい顔で呟いた。

 え、誤診?

 もとより、彼のやっていることなんて、私にはまるで分かっていないのだ。ただ、お茶を運んだり、お菓子を用意したりして、あとはオロオロ、ウロウロ。まるで、すすめられるままに飼ったペットの扱いに困っている無知な飼い主のように、ただS氏の顔色をうかがうくらいしか出来ることがない。

 次にS氏は、ハードディスクをもとの状態に戻した上で、パソコンを立ち上げようとしたが、正常に作動しなかったため、元のハードディスクにインストールされていたウイルス駆除ソフトに不具合があるのではないかとの予測のもと、ウイルス駆除ソフトをアンインストール。すると、あら不思議。パソコンは何事もなかったかのように、元気に立ち上がりました。でも、こちらは立ち上がるのも嫌になるほど疲れていた。何しろ、その段階で、すでに8時間が経過。深夜の0時をとっくに回っていたのである。
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