旅の蜃気楼

さて、山に行けるぞ

2002/08/05 15:38

週刊BCN 2002年08月05日vol.952掲載

 

▼街にいると山が恋しい。山にいると街が恋しい。人間はわがままにできているんですね。さて、やっと明日は山に行けるぞ。長い一週間だったな。いろいろあったな。ああでもない、こうでもない。でもどうなるのかな。8月の景気はどうなるのかな。知りたいな。NY911も近いな。その日には何か起こるのかな。起こったら、世界はどうなるのかな。ああでもない、こうでもない。不確定要素が多いんだよな。考えても分からないよな。ブッシュさんはどうするのかな。教えてほしいな。ビンラディンはどこにいるのかな。どうして分からないのかな。小泉さんは結構、やってるじゃん。がんばってほしいな。

▼もう、24時を回ったな。明日、起きられるかな。こんな、非生産的な思考回路を動かしながら、眠りにつく。まあ、いいか。明日、山にいけるし、でも朝が早いな。いやだな。眠いな…。突然、「グーーッ!」と、奈落のそこに落ちているはずだ。もう、こうなったら、多少の騒ぎでは起きない。これが特性だ。

▼夏の早起きは楽だ。外が明るいと、どうしてこんなに気分が楽なんだろう。ありがたいことだ。そういえば、鳥も朝が早いな。そうだ、忘れられない友人がいた。インドのバンガロールで、始めての朝を迎えたときだ。「コケコッコー」。あの聞きなれた鶏(友人)の声である。「なんだ、鶏じゃん。聞こえるじゃない(通じるじゃない…)」。なぜか不思議にそう思って、嬉しかったんだよね。

▼海外の一人旅って、こんな現象が起こるのかしら。英語圏のインドの英語は、「こりゃなんだ!」。聞けない。「もっとはっきりしゃべってよ」。こちらの英語も通じない。(アメリカにいても同じだろうが…)。通じないから、そこでパントマイムの登場だ。手杯を口先に運んで、「酒ー」。団子を食べる振りをして、「串焼きー」。不思議な色のカレーを指さして、「これー」。これでまあ、何とか生きられるわ。味覚は日本に帰ってから元を取ればいいや。(要町発・笠間 直)
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