Letters from the World
米国の会計基準
2002/07/29 15:37
週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載
監査された経理資料は、基本的に会社のオーナー(株主)にたいして会社の状況を知らせることが目的で作られているが、このような書類で本当に投資をするのかと考えると怖くなる。例えば、あるソフトウェアを作ってお客様に納品をしたとする。そのソフトウェアが今後3年間お客様に使われると言う判断をした場合、売り上げとして全額入金しても、監査後の資料では今後3年間にわたって3分の1ずつが売り上げが計上されるのだ。
要するに今年の売り上げは実際よりも3分の2少なくなるわけだ。それはそれで実際より少ない数字が投資家に見えるわけですから悪いことではない。しかし、来年度、再来年度を考えると、実際には全く入金がないにもかかわらず3分の1の売り上げが計上されるのだ。これでは正しい会社の姿が見えないのではないか。逆に経費も同じような計算がされることになる。コンピュータを購入した場合、全額支払った場合でもコンピュータの対応年数に比例して経費が計上される。
これに関して言えば、今年使ったお金が実際よりも少なく見えるわけだ。これで本当に良いのか。ゼロックスの問題も実際に入金した金額を計上していた、実際に支払った金額を計上していたと言うことなのだ。実際の金額を計上すると違法で、実際とは違った数字を計上すると問題にならない。これでは問題が多くなるだけだ。(米シアトル発)
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