Letters from the World

ASPサービス会社は今

2002/07/01 15:37

週刊BCN 2002年07月01日vol.947掲載

 アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)は21世紀のソフトウェア会社が目指す理想的な姿だと言われて数年が経過した。シアトル地域にも業界の注目を集めたASP提供会社が数年前に設立されてサービスの提供を開始した。サービスの多くは無料の簡単なものからはじまり、顧客によっては有料のサービスを申し込むと言う一般的なものであった。しかしそれらの企業はドットコム企業と考えられ資金がショート、多くの企業が今では活動さえしていない。

 ASPは終わったのか。これらの企業のなかには、今でも活動をしている会社が何社かある。ASPの次に彼らがどのようなことをしているか今回は簡単にご紹介しよう。マイクロソフト本社からフリーウェイを挟んだ反対側にオフィスを構え、会計・経理ASPシステムを提供していたvjungle.comと言う会社がある。ドットコム崩壊が起こったとき、この会社も資金ショートを起こし、忽然として大きなオフィスが空になった。彼らは今、ほかのASPやISPに対して自社が開発したシステムをパッケージ化して販売する事業を行っている。今までのようにエンドユーザー向けのサービスでは、新規ユーザーの開拓を行っていない。

 ホストコンピュータとパソコンのコネクティビティを実現したウォールデータを設立したジョン・ウォール氏が、次に手がけたのがBtoCオンラインストアをASPで提供するVISTA。この会社、ジョン・ウォール氏の資金力で立ち上がり、業界の注目を浴びた。月数十ドルでオンラインストアが運営できる画期的なシステムであった。しかし、現在はASPというよりもSI会社としてシステム開発を事業としている。ASPとして開発したシステムには価値がある。しかし、ASPというビジネスモデルにはお金が集まらない。生き残ったASP会社は、新たな活路を昔からのSI業に求めているがアメリカの現状なのだ。 (米シアトル発)
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