北斗七星

北斗七星 2002年6月3日付 Vol.943

2002/06/03 15:38

週刊BCN 2002年06月03日vol.943掲載

 

▼今、東京・新宿西口が熱い。弊紙でも紹介した、ビックカメラ・ビックピーカンの出店である。「小田急百貨店別館内に出店」、「ヨドバシカメラの牙城である場所にあえて進出」など、ニュース性は抜群だ。5月23日のオープン初日には、開店前に6000人を超える客が列を作るなど、話題性は十分。駅前ではヨドバシカメラのスタッフがチラシを配って対抗意識をむき出しにする。テレビでもその模様が紹介され、消費の沈滞や小売業冬の時代といわれる昨今、久々のビッグニュースになっている。

▼ひるがえって、電気街の雄、秋葉原はどうか。悲しいかな、目下の話題はT・ZONE.の本店閉鎖と同社再建のゆくえ。詳しくは3面「BCN eye」と6-7面「Key Person」に譲るが、それにしてもあまりに明暗分かれすぎではないか。もちろん、秋葉原の各ショップはがんばっている。土日ともなれば、多くのお客さんで賑わう。駐車場は少ないが、それでもお客さんはがんばってパソコンや家電を買いに来る。雨の日だっておつなもんだ。雨の夜なんて、それこそ映画「ブレードランナー」の世界。混沌の美がそこにある。そりゃ商品買うのに値段が安けりゃ言うことない。でも、ほかにもあるはずだ、買い物の楽しみが。

▼というわけで、わけもなく熱くなってしまった北斗子だが、これからの夏商戦にむけて、秋葉原をウォッチしていきたい。品揃えでは郊外店に負けようとも、アクセスの便利さではターミナル駅近くに負けようとも、そして価格でカメラ系量販店に負けようとも、秋葉原の魅力は捨てがたい。あるジャンク屋の店頭にて。「モニタ2000円。ただし映りません」。映らないモニタ売ってどうする!それをやってしまう魅力がこの街にはある。
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