旅の蜃気楼
<e-Silkroad編 アジアのIT利用技術立国を目指せ>その10 共産党は宗教的存在
2002/03/11 19:47
▼共産党員になるには申請して認められるまで最低3年、長い人で30年かかるという。昔の科挙(官吏登用)試験ほどの難関と考えてはどうだろうか。党がすべてだから、宗教は党の管理となる。共産党がいわゆる宗教的存在といえる。ここがインドと違うところだ。インドは宗教が生活というか、生きるための基本だから、すべて宗教が優先する。牛が道路を歩く姿がその象徴だ。インドが国の発展のために、2010年までに牛の放牧を規制するとは考えにくい。宗教優先は文明の発展にはどうみても阻害要因となっている。中国は逆に、国の発展のために意思決定されると、有無を言わせない強制力をもっている。例えば、飛行場などすぐにできる。その代わり、立ち退きを命ぜられた人は、本人の意思にかかわらず、移転だ。中国の街(国)づくりはプランができたら即実行、完成の期間が短い。
▼浦東空港から中心街へのアクセスはリニアモーターカー。この工事も早い。ドイツの技術で進んでいる。水、電力、交通機関、通信インフラ、ビルの基盤整備は、見る見るうちに進んでいる。上海の人も、海外から上海を訪れる人も、この国家建設の進展には力強さを感じるだろう。東京オリンピックの建設風景を体感した読者の方には、納得していただけるであろう。上海には香港の機能をすべて飲み込んだ金融センター(写真)ができる。これはバブルなんだろうか。(本郷発・BCN主幹奥田喜久男)
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