美的徒然記
<美的徒然記>5.なんのためのメイク?
2002/03/04 15:26
それはメイク商品の販売にも現れていて、欧米ではマスカラやアイライナー、口紅など、目元や口元を強調するアイテムが売れるのに対し、日本ではファンデーションの占める割合が高い。これらは、多民族国家で、自己をアピールすることはごく当然の行為とする米国と、元来島国で、「以心伝心」を美徳とする日本の文化の違いによるものだと感じる。
確かに日本女性は、平安の昔も今の世も、素肌を隠して白く美しい肌に見せることに執着してきた。「色の白いは七難隠す」なんて言葉もあるくらいだ。
雑誌「VOGUE」などで仏版や米版と日本版を見比べてみると、同じ外資系化粧品メーカーの、同じモデルを使った、まったく同じ構図の広告なのに、日本版は肌が画像修正されシミひとつないのに対し、欧米版はいたってナチュラルなしみだらけの肌だったりするから面白い。
インターネットの普及などによって、当然、世界の情報の垣根はどんどん低くなっていくだろうし、最近の若い子がつけまつげで目元をばっちり強調した「あゆメイク」をしているのなんかを見ていると、この先どう変わっていくのか、とても興味深い。(アイスタイル取締役 アットコスメ主宰 山田メユミ)
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