▼来日したブッシュ米大統領は、小泉首相の国際貢献を評価しながらも、経済については改革の実行を求める厳しい意見を述べた。客観的に見えるからなのだろうが、米国から見ると日本経済は解決すべき問題を数多抱えていることが浮き彫りに映るようだ。日本人が考えている以上に、経済改革は避けて通れない問題として突きつけられた感があった。

▼来日にまつわる一連の報道を見ていると、幕末にペリーが黒船で来航し、開国を迫ったことを思い浮かべてしまった。鎖国状況にあった当時の日本は、「世界の中の日本」という視点をもつのは難しい状況にあった。しかし、情報過多の現代でも「世界の中の日本」という視点が、政治家にも国民にも欠けているのではないか。海外からの来訪者はそんな思いを起こさせてくれる。

▼2月22日、マイクロソフトのゲーム専用機「Xbox」が日本で発売になった。日本メーカーが幅を利かすゲーム専用機業界において、久々の米国発の製品である。関係者によれば、やはり米国では自国から誕生した商品への期待は高いそうで、次々と新しいソフトが開発され、売れ行きも順調という。背景には、米国発であることが無関係ではないようだ。Xboxはゲーム専用機業界に登場した黒船といえるのかもしれない。

▼だが、日本のゲーム専用機は日本発ではあるものの、すでに全世界を相手にビジネスを行い、成功している数少ないものの1つでもある。ピカチュウは日本の子供たちにとどまらず、全世界の子供に支持されている。むしろ、Xboxは全世界を相手に成功した日本のビジネスモデルを参考に登場してきた。いわば、日本の強さを学んで登場した黒船だ。市場ではどう評価されるのだろう。