北斗七星
北斗七星 2002年1月14日付 Vol.924
2002/01/14 15:38
週刊BCN 2002年01月14日vol.924掲載
▼ワークシェアリングのモデルでよく紹介されるのは、オランダの事例だ。10%という高い失業率に悩まされていた1980年代初頭のオランダが、ワークシェアリングを導入した結果、雇用が維持され、失業率が低下したという。年末年始のマスコミの論調は、総じて「今年の経済状況も昨年同様厳しい」というものばかり。雇用の面では、もはやワークシェアリングの導入は必須だろう。
▼富士通がワークシェアリング制度の導入を検討しているとの報道もある。半導体工場の従業員を対象に、今春の実施を目指す方向で検討が始まるという。もっとも、富士通の場合は「緊急避難型」のワークシェアリングだ。先に紹介したオランダの事例は「雇用創出型」。同じワークシェアリングでも性質が異なる。今後、この制度を導入する企業が増えるだろう。現下の不況をまず乗り切ることが重要なのは確かだが、一時的避難ではなく、未来につながるビジョンをもったワークシェアリングが必要だ。
- 1