編集長より

針の一穴

1982/03/15 15:26

 メイン・フレーム・ユーザーのEDP室に、社内のあちこちからパソコン導入における質問が殺倒している。会社側も導入台数が少ないうちは放置していたが、ここにきて真剣に取り組み始めた。部門の担当者も会社側も、こうした相談はEDP室に向ける。EDP室も困ったものである。コンピュータに違いないが、的確な指導をできるほど十分なパソコン知識はない。それに全社レベルの機械化を専門とするだけに、気楽な返答ができない。そこで意見を求められたしだいである。

 先方のEDPマンはシステムの専門家。余分な説明は省いて「ホスト機と同じメーカーの機種を」とした。実はそうなんだが、バロースにはパソコンがないという。そこで「現在は未発表だが、用意しているはず」と応えたところ、今は新製品を発表するほかに多忙なことがあるはず、という。

 パソコンはメイン・フレームのビジネスからすれば、ほんの数%。いわゆるビッグ・ビジネスではないという見方である。実のところ一部のメーカーを除きメイン・フレーム勢のパソコン動向は緩慢である。それがここ1、2年のEDPユーザーヘのパソコン進出に、見過せなくなってきた。日本IBMの代販開始はその試金石としたい。

 3月上旬、1枚の挨拶状が舞い込んだ。18年間バロース・マシンを楽しく売らせてもらったというもの。氏はコンピュータ・セールスのベテランにもかかわらず異業種へ去っていった。ちなみに、昨年のバロース退職者は女子も含めてほぼ180名、うち勤続10年以上が30名、15年以上が30名という。
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